そもそも消泡剤とは何か
消泡剤は、その名の通り泡を消すために使われるものです。一般家庭で使われる石鹸などはよく泡立ててから使用することが推奨されますが、分野によっては泡の発生が問題として認識されることもあります。そこで活用されるのが消泡剤です。泡を消すといっても、そのしくみにはいくつかの種類があります。そもそも泡が発生しにくいように抑制するタイプや、発生した泡がすみやかに破壊されるようにするタイプなどがあります。これらの消泡剤は液体や粉末などの形式で販売されていて、商品の製造段階などで添加される事例が一般的です。一般的な消費者の立場では消泡剤の存在を認識しにくいかもしれませんが、食品の製造でもつかわれているので意外と身近な存在です。
どのような使用例があるのか
消泡剤の使用例はいろいろありますが、まず紹介したいのは塗料に使用する例です。塗料は粘性の強い液体である場合が多く、泡が発生した状態で塗ると均一な塗膜を形成できない場合があります。そこで消泡剤を使用すると泡がなくなり、乾いたときに泡の部分だけ塗膜が薄くなるような問題を避けられるしくみです。食品の分野では、豆腐の製造で使用される例が典型的です。製造過程の中で豆乳を加熱すると、泡が発生します。泡が残っていると、なめらかな食感の豆腐にならないため消泡剤が使用されます。食品衛生法によって食品製造に使用する素材の種類や量は規定されているため、健康上の問題を心配する必要はありません。工業や食品製造など、幅広い分野で消泡剤は使用されています。
豆腐を作る過程で出てしまう大量の泡を消すために、消泡剤が使われています。泡を消すことで、きめ細かで舌触りの良い豆腐ができます。